治療の実際 4、合成樹脂の詰め物


4、合成樹脂のつめもの 編 とても便利な材料です
 

 見える場所の詰め物では、できるだけ目立たない白い色の合成樹脂の詰め物を使用します。さまざまな製品があり、メーカーによって色や透明度などに違いがあります。種類もずいぶん増えていますので、色を選び、時には数種類の色を組み合わせることで、目立たなくすることや、ご希望の色に近づけることが可能になってきています。丁寧にやればとてもきれいに仕上がります。

 合成樹脂の詰め物は、虫歯の治療としては、歯を削る量を最小限にできる、その場ですぐできるなどの利点がありますので、通常第一選択として行っています。


 歯の形を変えたい、変色歯を白くしたい、すき間を埋めたい、などなど、ほとんどの場合歯を削らずに改善できますので、歯を削ってかぶせものにする前に試みることもあります。


 『前歯のすきまが気になるのですが、なんとかなりませんか』


 『そうですね、一番良いのは歯列矯正ですが、その次としては合成樹脂を直接接着させるやり方ですね。これだと歯を全く削らずに済みますからね。

 かぶせるやり方やセラミックを張り付けるやり方は、一番きれいですけど歯を削りますし、時には歯の神経も取らなくてはならなくなります。削らない方法で試してみてからでいいのではないでしょうかね。

 実際にどんなふうになるか試してみましょうか?。歯も一切削りませんし、接着剤を使わなければすぐはがせますから大丈夫ですよ。百分は一見にしかずです。』


『まず、治療する前の状態を写真で撮っておきます。』


 手かがみを渡し、作業をみせながら


『接着剤を使わずに合成樹脂を盛り上げてみます。歯の形を、すきまの無いものに彫刻して変えて見ます。

 どうですか、これならやった方がいいですか。

 ではこの形の状態の写真を撮ります。

 はい、では盛り上げた部分を取って元の形に戻します。

 どうですか、比べたらやった方がいいですか。』

 

 『手鏡では分かりにくいでしょうから、こちらのモニター上で比べてみましょう。これがやる前の状態、こちらが合成樹脂を盛り上げた時の状態、どちらが良いですか。』

 

 『そうですか、それでは本格的にやってみましょう。

 まず色を合わせます。合成樹脂は固めると色が少し変わりますので、実際に固めて色をあわせてみます。

 この色はどうですか、今度はこちらの色、こちらの色の方が良くあって目立ちませんね。ではこちらの色を使いましょう。』

 

 接着剤がよく効くように歯の表面をきれいにします。歯の表面処理を行い、接着剤を塗り、合成樹脂を盛り上げて固めます。そして形が調和するように歯の形に彫刻していきます。

 

 『いかがですか。きれいになりましたね。やってよかったですね。』

 

 この間約1時間の治療でした。

 

 強い力がかからないところでは、歯のないところを、両隣の歯を利用して合成樹脂をくっつけて固めて歯の形に仕上げたりすることもあります。両隣りの歯を削ることなく歯を入れられますので、長持ちすればもうけものです。

 

 とても便利な材料で、だいぶ良くはなってきたのですが、金属やセラミックにはくっつきにくい、長期的にはすり減るのが速い、変色するなどの欠点がありますのでその点に関しては考慮が必要です。

 

 歯と同じ色の白い材料では、セラミックの方が、変色しない、すり減りにくいということではより優れた材料です。

 

 歯の治療に使う材料は現在では様々なものがありますが、残念ながら、まだまだ万能の材料はありません。「より歯を削らない方がよい」、「よりきれいな方がよい」、「より再治療が少ない方がよい」など、状態や価値観に応じて選択して行きます。

 

 選択に迷う場合は、歯を削る量の少ない順番に試してみれば良いと考えています。